歯科医師による歯科医師のためのM&Aを

日本の中小企業における後継者不在率の高さが社会問題化する今日、その解決策としてM&Aが広く認知されてきております。

2022年に、日本企業が関与したM&Aの件数は過去最多を記録しており、これは新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年を除くと、2011年以降、一貫して増加してきているものです。

もはや今日の経済を語るうえで、M&Aは避けては通れない経済活動の一つとなっています。

歯科業界においても、歯科医師の平均年齢は高齢化の一途を辿っており、歯科医院の後継者不在率が90%を超えるとする調査もあるなど、後継者不在の問題は年々高まる一方です。

そのような状況下で、近年では歯科医院においてもM&Aが事業承継の選択肢の一つとして広く注目されてきています。

従前より居抜き等で比較的小規模な歯科医院が承継される事例はございましたが、複数医院を全国に展開するような大規模医療法人においても承継の事例が増加しているのが現状です。

他方で、歯科医院のM&Aにおいては、株式会社と比較して特殊なノウハウが必要とされる一方、公開されている事例も少なく、専門家も少ないことから、M&Aという選択肢の検討に至らない先生方が多い現状も事実です。

私は歯学部を卒業後、M&A仲介会社におけるアドバイザーと投資ファンド傘下における事業投資責任者として、M&Aに関わって参りました。

数々のM&Aの現場に携わる中で感じたのは、魅力的な業界においては、異業種からの新規参入も含めた、活発な投資が行われるということです。

新たなプレイヤーと資金を得た業界はより活性化し、業界で働く人たちの待遇も向上、優秀な人材が集まり、業界全体が進歩していきます。

「コンビニより多い歯科医院」や「ワーキングプア歯科医」などの言葉がメディアに登場するようになって以来、日本社会が歯科業界に持つイメージが低下しているように感じられてなりません。

私は、歯科医師がより豊かになることが、歯科業界に対するイメージを変え、業界を前に進める大きな原動力になると考えております。

そのためにも、歯科医院のM&Aの普及を図ることで、歯科医師の生涯収入を最大化し、歯科医師のハッピーリタイヤモデルを日本にも根付かせたい。

上記の実現を通じて、歯科医師という職業の魅力度向上と同時に、持続可能な地域医療を実現する一助となりたい。

これが、自らも歯科医師であり、歯科医師家系の三代目に生まれた私のミッションです。

 

2023年6月

日本歯科医療投資株式会社

代表取締役歯科医師 水谷友春

経歴

2008年 愛光高校卒業
     東京歯科大学 入学
2011年 都内投資不動産販売会社 勤務
2017年 東京歯科大学 卒業
2018年 東京歯科大学附属千葉病院臨床研修プログラム 修了
     株式会社fundbook 勤務(M&A仲介業)
2019年 株式会社メディカルサポート 勤務(ジャフコグループ株式会社投資先)
     医療法人スワン会 勤務
2020年 株式会社メディカルサポート 事業投資部長 就任
2023年 日本歯科医療投資株式会社 代表取締役歯科医師 就任