M&Aで歯科医院の売却に成功した事例

地域No.1から全国トップクラスへ!歯科医療法人M&A成功の秘訣

東日本で2000年代に創業し、自身で所在都道府県トップクラスの医療法人に成長させた後、M&Aによって法人の規模を拡大させ続けている歯科医師の事例です。

40代後半の理事長が率いるこの医療法人は、M&A前から5院以上を展開し、スタッフ数は100名超、年間売上高は10億円を超える、大型の医療法人でした。

しかし、法人のさらなる成長と従業員の安心の2つを同時に叶えるため、投資ファンドへのM&Aを決断しました。

水谷 友春
■ 監修者

日本歯科医療投資株式会社 代表取締役歯科医師:水谷 友春

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M&A決断の背景

所在都道府県でトップクラスの規模を達成したこちらの理事長ですが、2つの課題に直面していました。

1つ目は、ここから日本トップクラスの歯科医療法人を目指すには、壁は厚く、個人の力では資金調達や成長スピードに限界があること。
2つ目は、100名を超えるスタッフの生活が、経営者である自分1人の判断や健康状態に左右されることに対する不安でした。

これらの課題を解決するためには、「医院成長のために、より多くの資金を調達したい。」や「自身が今と同じように働けなくなっても、法人の経営に影響が出ないようにしたい。」と考えるようになり、より大きな組織のグループに入ることを考えはじめます。

M&Aによる新たな展開

この先生は、最終的に知名度のある日系投資ファンドへのM&Aを決断されましたが、それにより、以下のメリットが生まれました。

  • 100年続く医療法人への道筋をたてることができた
  • 投資ファンドの潤沢な資金を活用した医療法人経営が可能になった
  • 新しい働き方を獲得できた(後述)

この先生はM&Aによる売却後も、買手の投資ファンドと一緒に最低でも5年間は働くことを選択し、現在も理事職を務めながら、投資ファンドにおける歯科医院投資の意思決定のパートナー(実質的な現場の責任者)として活躍しています。

また、M&Aをきっかけに、売主の先生は以下のような新しい働き方を獲得し、そのライフスタイルは大きく変化しました。

  • 投資ファンドと共に買手側としてM&Aに関われるようになった
  • M&Aで引き受けた他地域の医院への出張をするようになった
  • 優秀なファンドマネージャーという経営パートナーを獲得できた

まさに日本でも例を見ない、全国に約11万人いる歯科医師の中でも唯一無二の働き方を獲得したことになり、理事長自身も大きな充実感を得ています。

成功の鍵

本事例の成功の鍵は、以下の点にあります。

  • 自身の歯科医院の課題を認識し、その解決方法を幅広く検討したこと
  • 適切な譲渡先(投資ファンド)を選択したこと
  • 譲渡後も自身がイニシアチブをとる意欲があったこと
  • 新たな働き方を楽しめる性格

売手側の成長手段にもなるM&A

東日本の所在地域でトップクラスの歯科医療法人が、投資ファンドとのM&Aを通じてさらなる成長と安定を実現した事例を紹介しました。

本事例は、M&Aが単なる引退のための事業売却ではなく、自らが創業した法人をさらに成長させるとともに、自身がさらに精力的に活動するきっかけとなり得ることを示しています。

適切なパートナー選びと明確なビジョンがあれば、M&Aは歯科医院の規模の拡大のみならず、従業員さんや患者さんの生活の安定にも資する可能性を秘めています。

歯科医院M&Aで経営者の悩みを解決!新たな人生を切り開くことに成功

東北地方で5院以上を展開する歯科医療法人が、投資ファンドへのM&Aを成功させ、経営者の心機一転と創業者利益の獲得を実現した事例を紹介します。

1990年代に創業したこの医療法人は、一般歯科・インプラント・矯正を手がけ、70~90名のスタッフを擁する地域No.1の歯科グループへと成長。

売上高約10億円という優れた業績を誇る中、40代前半の理事長は新たな挑戦を求めていました。

M&A決断の背景

理事長は歯科医院を長年経営するなかで、以下の課題を感じるようになりました。

  • 歯科医院運営に対する飽き
  • 役員報酬の税率の高さ
  • 経営責任の軽減希望

M&A仲介会社からの提案をきっかけに、理事長は既に歯科医院を所有していた投資ファンドへの譲渡を決断。

出資持分譲渡と医療法人の吸収合併を組み合わせたスキームを採用し、医療法人の売却に成功しています。

M&Aによる新たな展開

投資ファンドによるM&Aによって、理事長には以下の変化が生まれます。

  • 勤務形態の柔軟化:週5日から週4日勤務へ変更
  • 長期休暇の実現:年2回の長期の家族旅行が可能に
  • 専門性の活用:他院でのインプラント出張手術の実施
  • 経営負担の軽減:理事職からの退任
  • 財務的余裕:低税率の譲渡所得による個人資産の獲得

理事長は3年間の継続勤務契約を結び、院長(管理者)として診療を続けているものの、経営者のワークライフバランスを大きく改善しました。

家族と過ごす時間の増加、専門性を活かした新たな挑戦、経営ストレスの軽減など、多面的な価値を創出しています。

成功の鍵

今回のM&Aによる成功のポイントは、以下の4つといえます。

  • 適切なタイミング:業績好調時のM&A実施
  • 明確な目的意識:創業者利益獲得と経営負担軽減
  • 柔軟な契約条件:勤務形態の自由度確保
  • 既存システムの活用:労務管理体制の維持

経営者の未来の可能性を広げるM&A

本件のM&A成功事例は、歯科医院経営者にとって経済的自由の獲得と時間的自由の獲得の観点で、M&Aが有効な選択肢となり得ることを示しています。

業績好調時こそ、将来を見据えたM&Aの検討が重要です。

経営者の人生設計と事業の継続性を両立させる手段として、M&Aは大きな可能性を秘めていることが改めて認識できたでしょう。

歯科医療法人のM&Aがもたらした経営者のQOL向上と事業発展

40代前半の理事長が率いる、出資持分なしの医療法人の事例を紹介します。

首都圏に5院以上を展開し、80~110名のスタッフを抱え、年間売上高10億円超を誇る地域No.1の歯科医療法人でした。

健康不安をきっかけに検討したM&Aが、理事長の生活の質を向上させ、医療法人のさらなる事業拡大につながった成功事例です。

M&Aの決断の背景

売上は順調に伸びていたものの、この理事長は完璧主義な性格。

分院視察時に、ユニットのアームの上に埃がたまっていることにもストレスを感じるなど、規模の拡大ととともに、そのストレスは増加の一途を辿っていました。

そんな中、この理事長は、ある日、突然、過呼吸に見舞われます。

自身でコントロールできない心身の不調を前に、ストレスの軽減が大切だと痛感し、医療法人のM&Aを決断しました。

M&Aによる新たな展開

出資持分なし医療法人のため、売手・買手双方が納得できるスキーム構築は容易ではありませんでしたが、医院の事業譲渡・役員退職金・MS法人の株式譲渡を組み合わせたスキームで、医療法人を投資ファンドに譲渡。売主の先生は、理事職から退任することになりました。

このケースでは、M&Aによって、売主に以下の変化がありました。

  • 体調の急激な回復
  • 院長(管理者)として週3日勤務
  • 長期休暇を取得して家族5人で国内旅行へ
  • 新規医院の開設(譲渡医院から離れていることが条件)
  • 買手法人が新規分院展開をする際のサポート
  • 遠方にある新規分院へ出張

この先生は、体調が急激に回復したことから、譲渡後2年で首都圏に自身の医院を開設し、2期目で3億円近い売上を達成。

一方で、買手である投資ファンドの新規分院展開のディレクションも行い、4年間で5院以上の開院に携わりました。

自己資金を用いず、親会社の投資ファンドの潤沢な資金を用いることができたからこそ、この先生は積極的なアプローチができたようです。

売主の歯科医師の経営手腕が生かされた結果といえるでしょう。

成功の鍵

本事例の成功の鍵は、自身の健康を見据えたM&A決断のタイミングが大きいといえます。
法人としては成長途上であったものの、健康不安を抱えたまま、さらなる規模拡大を続けていれば、売主の体はどこかで限界を迎えていたかもしれません。
健康あってこその人生です。
M&A後は、病状も改善し、自身のスキルをいかして買手側の発展にも貢献しています。

売手側にも広がる新たなビジネスチャンス

今回の事例は、歯科医院M&Aが法人としての出口戦略にとどまらず、売主の第二の人生のスタートや新たなビジネスチャンスの創出につながる可能性を示しています。

健康不安をきっかけに始まったM&A。

結果として理事長の生活の質を向上と、さらなる事業拡大の原動力となった点は、歯科業界におけるM&Aの新たな可能性を証明したといえるでしょう。

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